1992年の卒業製作コレクション『ジャック・ザ・リッパーが犠牲者を付け狙う』から、2010年秋冬コレクション『天使と悪魔 (非公式タイトル)』を遺(のこ)しての同年２月の自殺まで、享年40に至る18年間を、極挑発的コンセプトと超常的クリエイティヴィティーとの両輪で駆け抜けた、英国生粋の鬼っ子デザイナー、アレキサンダー・マックイーン(以下「Ａマック」)。盟友サラ・バートンによって引き継がれた彼のブランドは、今やキャサリン妃御用達のナショナル・ブランドに昇格してしまった感がありますが、不肖私がこのワンピースを購入した当時は、まだ創業者Ａマックの存命中。黒地にゴールドのアカンサス・モチーフの刺繍をたわわに広げたゴシック・エレガンスの深みから、不敵に不穏に滲(にじ)み出る悪童スピリット……。その密かな企(たくら)みをデザイナーと分かち合う共犯感覚にときめきつつ、本品を身にまとったものです。★真性ヴィンテージの愛用品ですが、ドライクリーニングを重ねながら大切に保管してきましたので、とてもキレイな状態です。★この金糸刺繍技術は、まごうことなきイタリア製！(写真10枚目; 「Made in Italy」)粗(あら)織りストレッチ素材。キャップスリーヴと大きめのアームホールが、逆トライアングルのボディーコンシャスをさりげなく強調。Ａマックには、デザイン・コンセプト上でどんなに暴れても、門前の小僧時代にサヴィルロウで吸収したテイラーリング美学に由来するシルエットの凛々しさがありました。左シーム上腿脇に組成＆ケア・タグがあったのですが、シルエット表面に透けそうな気がして、すべて切り取ってしまいました。(その痕跡の白い切れ端が微かにシーム上に残っています)★表示サイズは「Ｓ」。ストレッチ素材ながら、ボディーにぴったり吸い付くような新品特有のクリスプなタイトさは、ある程度失われているのでは、と思います。★「S」サイズのトルソー上で、ウエスト周りを中心に背中側にややゆとりがあります。ストレッチ性を考慮すると、大きめ７号～小さめ９号の方に適すると思われます。★ストレッチせずに平置きしての素人採寸で;着丈: (前)93cm; (後)95cm肩幅: (キャップスリーヴながらあえて) 40cm見当？身幅: 39.5cmウエスト: 33:5cm