種別：刀
銘  表：濃州八幡住兼圀作之   裏：昭和五十六年一月吉日
時代：昭和
長さ：72.9ｃｍ反り：1.8ｃｍ 元幅：33.2ｍｍ元重： 7.8ｍｍ先幅：23.5ｍｍ先重：4.7ｍｍ重量：1483ｇ（全体）       1188ｇ（鞘を払った状態）        873ｇ（刀身のみ）
初代尾川兼圀刀匠は、現代の岐阜県を代表する名工の一人で、その優れた技量から無鑑査に認定されています。兼圀刀匠は、本名を邦彦といい、大正十四年に岐阜県で生まれ、十八歳の時に史上最年少で陸軍受命刀匠となりました。戦後、刀匠でない道を歩んでいた兼圀刀匠ですが、刀の道への熱意を抑えられず、再び鍛刀の道へ入ることに。しかし、戦前の作刀実績を証明する書類が全て焼失していた為に、作刀承認を受けるために再び修行することになりました。昭和四十七年に金子孫六刀匠へ弟子入りし、昭和五十二年に作刀承認を受けました。その後も新作名刀展などで特賞をはじめとする数々の賞を獲得、平成十八年に無鑑査認定を受けました。平成二十四年に逝去されましたが、現在はご子息である二代尾川兼國刀匠（同じく無鑑査）が活躍されています。この刀は、姿は鎬造、庵棟、身幅広く、中鋒延びごころとなる。鍛えは、板目に僅かに流れごころの肌交じる。刃文は、頭の揃った互の目に、足太くよく入る。茎に切られた年紀から昭和五十六年兼圀刀匠五十六歳の時の作とわかります。兼圀刀匠壮年期の力強い作品で、長さも二尺四寸あり、身幅も広く、拵入りの作品ですので、鑑賞のみならず居合にも問題なくご使用いただけると思います。軽く振ってもバランスも良く、目立った刃こぼれも見られず、鐔鳴りなどもございません。

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